2000年1月1日より2月2日までのWALK
(日本の高山にある位山からディネの国ビッグマウンテンまで)

人類には、平和が必要であるという意識をもたらす為に、巡礼や祈りの行進が歴史を通じて古くから行われてきた。地球の西半球に古くから住む先住民も警告のためや、近隣諸国との儀式をつなぐといった目的の巡礼や行進により何世紀にも渡って守りつづけてきた。これらの神聖なる行為は1960年代後期に合衆国政府の反インディアン政策への北米先住民の抵抗運動により復活し、多くのスピリチュアルウォークやランによるリレーがアメリカ及び諸外国にて行われた。ビッグマウンテンへのロングウォーク、そしてブラックメサを救おうという祈りのウォークは無事行進の全行程を終え、合衆国アリゾナ州北部に古くから住むインディアンの人々を抹殺せんとする大きな脅威が存在することを全人類に認識してもらいたいということでこの宣言を行った。

  1. 我々は再確言する。このスピリチュアルウォークは文化的絶滅の危機にある先住インディアンのコミュニティに聖なる祈りの品々を届ける目的のもと行われたのだということを。

  2. 我々は自認する。今回のウォークは全ての瞬間を通してウォーカーそれぞれが、先祖伝来の地から強制移住においたてられるという誤った迫害を受けているディネの居住者に対して加護と癒しがもたらされんことを願い、全創造主に祈りを捧げたものであることを。

  3. 我々は知っている。ブラックメサの伝統派ディネ族の人々は25年以上にわたり、彼らの不満や要求に対する返答を積極的に合衆国政府関連機関に対し求めてきたが、政府側は回答を拒否し、ディネの人々は一般米国市民や国際社会に訴えざるをえない状況に追い込まれたことを。

  4. 我々は理解する。非インディアン支援者の人々と先住インディアンの人々、そして強制移住に抵抗しているディネの人々の共同努力の結果、強制移住をせまられているディネ族のコミュニティに対して静かに推し進められている抹殺計画の本当の目的は、ディネの先祖伝来の土地に眠る天然資源を採掘し、産業化するというもくろみにより進められているのだということが証明されてきたことを。

  5. 我々は思い起こす。政府側としては石炭採掘と強制移住との間のいかなる関連性をも否定しつづけるであろうし、ホピ族の土地に対してディネが行ったとされる歴史的不法侵入や侵略について具体的な理由の説明といったものを未だ行ってはいない。もしこの仮説が事実であるならば、現在いくつかのホピの村が隔離されたまま存在しているであろう。

  6. 我々は了解する。今回の祈りの行進の成就に加え、多くのディネ族のコミュニティの代表たちがそれぞれのコミュニティにおいて行われている不正に関する情報をこのウォークに提供したことを。

  7. また我々は了解する。政府機関から正当に受けるべき法的、社会福祉的サービスの欠如、内務省インディアン局のベネットフリーズ政策の影響により大多数のディネ族の人々が数々の厳しい制限や不利益を被っているということを。

  8. さらに我々は認める。ベネットフリーズ政策が深刻な精神的ストレス、 住居及び設備の不備、有毒廃棄物の放置、雇用機会の剥奪、開発の否認、住居等の基礎構造の改良・改善の否認、そして政府の特権を受けている人々と "ベネットフリーズ政策" にかかっている地区の人々との間の行政的ギャップを広げていることを。

  9. さらに我々は認める。外部企業家の利権とベネットフリーズ政策によりナバホ居留地西部全域のディネの人々が、毎日空から飛行機で監視され、家畜数の制限、建築の禁止、強制移住受諾の強制を受け、アルコール依存症、家庭内暴力、文化的宗教的生活の崩壊に苦しみ、30ヶ所近い野ざらしのウラニウム鉱山跡の為安全な水源の不足にさらされていることを。

  10. さらに我々は知っている。非人道的なベネットフリーズ政策及びブラックメサ地区強制移住政策を通してこれらの伝統的なディネ族のコミュニティが、連邦政府によりパイユート族やハバスパイ族やホピ族といった以前は近隣部族であった部族の人々と差別され、"罪人達"や"不法居住者達"といったレッテルをはられていることを。

  11. さらに我々は思い起こす。25年にわたる合衆国政府と諸関係機関により引き起こされたこの計画的混乱により、ディネーホピ両部族間の古来よりの相互扶助関係の崩壊が進んだことで、連邦政府にホピとディネの両部族間に本当に軋轢があるのだと正当化する結果を招いていることを。以上の事由をもって、我々は次のように決議する。

    (1) 我々はアメリカのメディアに直ちにその偏見に満ちた編集を止めることを求める。
        又、主流の部族政府にもそのアメリカに同化した考えを捨てるよう求める。
        アナサジの歴史についての考古学的結論、アメリカに植民地化される以前の
        プエブローナバホ両部族間の関係についての人類学的・民族学的事実、そして
        伝統派ディネーホピ間の過去の共存の証明について十分な調査・説明に着手する
        ことを求める。

    (2)  我々はピーボディ西部石炭会社代表とアメリカ西部公益事業機関の代表に対し、
        そのロビー活動やブラックメサ石炭埋蔵地帯採鉱の為の土地所有権と賃借地権契約
        を導いたホピ部族評議会設立への援助における重要なカギとなる役割について書か
        れた既存の資料を直に提出することを要求する。

    (3)  我々はナバホ国、ホピ部族政府、そして連邦政府に対し、ブラックメサに住む先住
        インディアンの人々の声を沈黙させても現在の貧困、石炭採掘による汚染、政局の
        不安定に拍車をかけるだけであろうし、おそらく大地とそのディネの子供達と天然
        資源を守ろうとする未来の世代の人々を増大させるだけであろうことを悟るように
        促したい。

    (4)  我々はベネットフリーズ草の根団体と、強制移住と石炭採掘に抵抗する人々が文化
        的・宗教的生存に関する協定を結ぶことを勧める。それは類似の不正行為、人種差
        別、強制移住問題を抱える全てのディネや他の先住民連合委員会の設立を可能にし、
        適切な代表者の選出や決議を可能にする。

    (5)  我々はブラックメサにおけるディネの強制移住への抵抗運動を支援する国際的コミ
        ュニティに、ビッグマウンテンのコミュニティのような伝統的先住インディアンコ
        ミュニティに対し、合衆国が正当な人権の行使を行っているか監視し続けるように
        指示を出し続ける。

    (6)  我々はこれら国際的インディアン支援機関に絶え間ない監視と、彼らの国の議会と
        欧州連合に対し、強制移住に抵抗するディネの人々あるいは部族政府の企業議案
        提出権に抵抗する人々の問題を支援するよう指示を出し続ける。

    (7)  我々は他のアメリカ人支援者と我々先住インディアンの国々との同盟により、人
        種差別、環境破壊、人権侵害、警察による暴力、そして古来の文化的宗教的信仰
        形態の破壊といったこと全てを排除する為の安定したネットワークを構築しつづ
        けることを再確認するものである。


平和と癒しの為のこの絶対的な宣言は調和とバランスを求める人間社会であれという我々意志に基づいて宣言された。

この前述の宣言は2000年2月2日のスピリチュアルウォークにおいて、満場一致の賛成のもと、また未確定数の支持や反対のもと宣言された。


バヒ Y. キャダニー、
〔サイン〕
(最初の)ディネ独立国抵抗運動の研究者、ディネ語翻訳者、SAVE BLACK MESA PRAYER WALKのコーディネーターハル

 

山口
〔サイン〕


LONG WALK FOR BIG MOUNTAIN、WALK IN BEAUTY PROJECT, JAPAN コーディネーター

 

[訳:主原洋子、本出ミサ]