山本カズ(長野県小川村)
山梨県内とアメリカ参加

LONG WALK FOR BIG MOUNTAIN にかかわったすべてのみなさんへ
ありがとう!

お正月に知り合いをたずねてWALKのことを知った。「へえー」と思った。年賀状とともにチラシが送られてきてよんだ。大鹿村でスェットロッジがあることを知った。8日のある集まりで南木曽村の人が「すごいエネルギーだったよ」と伝えてくれた。「大鹿にいってみよう」と次の日でかけた。スェットロッジをはじめて体験して、自分の底がぬけた気がした。「一日歩いてみよう」次の日、分抗峠から美ヶ原が輝いてみえた。

「アメリカにいってみよう」。歩くことがただ楽しく気持ちよかった。BIG MOUNTAINのことはよくわからなかったが、この気持ちよさをもっと味わってみたかった。インドに行くはずだった予定が「インディアン」になってしまった。不思議な力にひきつけられてゆく気持ちよさ。自分のカラがめくれていく開放感。もっととべる、もっととびたい、そんな思いの中にいた。BIG MOUNTAINに立って、あのなんもないセージ一面の原っぱで、ディネのおばちゃん、おじちゃん達と抱きあい、青い目のアメリカ人達と握手した時、あふれる感情の波の中で「これだ、これだ」「やっぱり、兄弟なんだ。みんな同じで、ひとつなんだ」と強く何度も思った。ディネの人達のいう「ホジョナ」きっとぼくが味わったものなのだろう。ひとりひとりの眼が静かにすんでいて優しくほほえみかけてくれていた。ずっとむかしに一緒だった者たちがひさしぶりに集まって楽しんでいる。まさに天国だった。空も、紅い大地も、ジュニパーの低い木もみんな輝いているように見えた。

天国から帰ると予想どおり、現実は妙にかったるく、雪もすごく、寒くて、それでもめげずにWALKの歌をうたったり、歩くように現実の中で生きてみようと冬をすごした。今日は15マイルというように。 天国は、たまに味わうから生きがいがあるのかもしれない。風呂上がりのようにさっぱりと常にいられたら、人生の苦しみというものはほとんど喜びになるのだろうと。そしてみんながあのセージの原っぱでそうあったようにニコニコと輝いていれば、BIG MOUNTAINの問題はなくなるし、ひとりひとりのくらしている、いま・ここが聖地になるのではないかとも。

ぼくは、ぼくのできることをこなしてゆきます。
また、いつか、とびきりの天国であえる日を楽しみにしています。
ホジョナ、ホー!!
何のためにここにいるんでしょうね?

水津 高光(大阪府枚方市)
大鹿村からアメリカ参加

大鹿村からこのウォークに参加し、無事にビッグマウンテンまで辿り着くことが出来ました。肉体的にはハードでしたが、精神的には高揚感にあふれ、みんなが一つの想いを胸に、そこが森であろうと、川であろうと、コンクリートにおおわれた街であろうと、何もない砂漠であろうと、大地の上を歩くという事には変わりがないんだと実感しました。こんなに気持ち良く歩き続けることが出来たのは、ただ新しい世紀が始まろうとしている時に、こういう昔ながらのシンプルなムーヴメントにふれることが出来た喜びからでした。これで終わったのではなく、これからずっとずっと始まっていくんだと思います。道があるかぎり歩き続けなければいけないと思います。それが対立よりも調和にあふれた道であればと願います。

野中 かつみ(長野県高遠町)
全行程参加

聖地BIG MOUNTAINいま一つの聖地が失われようとしている。
自然と調和した暮らしを続けているアメリカインディアンの生活文化が失われようとしている。
世界各地の少数民族もそうであろう。
何か失われていくものの輝き、毅然としたものを感じる。
このPRAYER WALK(祈りの行進)は
これからの千年紀を迎える一つの方向性を指したといえる。
それは、自分の内なる聖地を守る巡礼である。
大ぜいの人々のサポートのおかげで聖地BIG MOUNTAINまで歩けたことを心から感謝します。

アキーニ(奈良県吉野郡)
ウォーク報告会にて
アメリカ参加

「私はウォークの後、羊飼いをしながらビッグマウンテンに残りました。そのとき、自然から沢山のことを学ばせてもらいました。空、大地、岩、…。中でもジュニパーという背丈の低い木が好きなんです。紫色の実をびっちりとつけて、太陽に照らされるとキラキラと光ってきれい。しばらくすると全部落ちてしまい、紫の絨毯みたいに大地に広がるんです。それを羊たちが、むしゃむしゃと食べるんですね。そのあと、リスや虫が残った種の中身を食べるんです。今度はそれをナバホの人たちが集めて穴を開けてアクセサリーにするんです。それ売って収入源にするためです。一本の木が食物連鎖のようなひとつの物語を創り上げていることに感動しました。これはその(首から下げているネックレスを見ながら)ジュニパーの実を使ったアクセサリーなんですけど、ナバホではアクセサリーをつくるときにひとつだけ間違えるんです。それは人間は完璧じゃなくて、その部分はグレート・スビリッツが完成してくれるといういい伝えがあるから。日本ってなんでも完璧にしたがる傾向があると思います。それがどんどん募ってくると精神的にきつくなってくる。だからこの話がとても好きなんです。これからも大地を自分の足でしっかりと捉えていきたいと思っています。」