(「人間家族」2000年10月号掲載) |
ここで彼らの暮らしぶりを少し紹介しましょう。 |
今でも近隣のナバホはいうまでもなく遠くからも、またホピも、この地域の羊を買いにやって来ます。彼らはそうすることで強制移住に直面している彼らをサポートしているのです。この地域の羊は、スーパーで売っている羊肉と比べて味がいいと評判です。やはり食べているものが違うのでしょうか。ヘイ(街で売っている家畜のための乾燥した飼い葉。)で育った羊とは訳が違うのでしょう。 「羊はわしたちににとって銀行のようなものじゃ」 (ロバータ・ブラック・ゴート) |
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ロバータ・ブラックゴート ディネ・カレッジにて |
「羊があってのディネの暮らし。十分な数の羊が飼えなくて、どうやって私たちの暮らしが守られるというのか。」
(アイダ・メイ・クリントン、2000年1月25日、ハード・ロック・チャピターでの発言。) (左写真) アイダ・メエ・クリントン ハード・ロック・チャピター・ハウスにて |
石炭の露天掘り
こうした伝統的なディネの生活を思うと、ホピ部族政府に土地の管轄が移ってから大幅に削減された羊の頭数制限が、いかに彼らの暮らしを脅かすごとになるか、容易に想像がつくことと思います。 |
HPL 地域のディネに対する差別的待遇は他にもあります。 |
また A・A は生活の細部までを規制します。 |
また、しばしば現地のノン・サイナーの間で論議されるのは、契約で定められたリース金をナバホ部族政府がいつまで払い続けることができるかということです。定められた金額は、ある筋の情報では、年間
83,000 ドル。新聞では、リース金の支払いには、連邦政府が地下資源開発などを通して援助すると報道されていますが、どちらにしても現地の住人は部族政府をまったく信用していません。それでなくても慢性財政困難状態の部族政府の懐です。一見独立しているように思われる部族政府の懐を明かせば国家予算の
4 分の 3 が連邦政府からの助成金で成り立っているというのですから、どれほど部族政府が連邦政府に追随しているか明らかと思います。残念ですが、独立にはほど遠いのがインディアン・ネイションの現実です。部族政府は予算がないのを理由に、A・A
にサインした者たちにあてがわれる住宅の工事も滞っています。開始されて 1 年半以上経過した今もほとんどの家が未完成のまま放置されています。 |
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A.A. にサインした者にあてがわれる家、 現在も未完成のまま放置されている。 水道もないところであるにもかかわらず、 中にはバスタブやシャワーの設備がある。 |
「私たちは家賃を払ってここに住んでいるようなもの。だから家賃を払わなければ追い出されるの。」 (ジョアラ・アシキ談) |
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ジョン・ベナーリとジョアラ・アシキ 後方にいるのはジョンのガールフレンド |
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