"米国政府から、強制移住を迫られている先住民インディアン達を、大地に祈りをこめて歩くことで応援しよう、という「The Long Walk for Big Mountain」が、2000年1月1日、岐阜の位山からスタートしました。

東京のアメリカ大使館まで、約460Kmを歩き、さらに空路アリゾナへ、再び聖地「Big Mountain」まで200Kmを、世界中から集まる支援者と一緒に歩いて行くというものです。私は、このWalkが半分の行程を過ぎた地点の、長野県原村で彼等を迎えました。宿泊や食事を用意する手伝いをして、彼等を励ますつもりが、逆に、その真摯な姿を目にすることで、こちらがパワーを、たくさん、たくさん与えられた気がしました。

翌朝早く出発する彼等と共に、祈りの儀式をした時、リーダーのハルが、『今までは、自分が祈りを込めながら歩いていると実感してきました。でも、大地とすべてのいのちに感謝し、歩き続けているうちに、自分そのものが祈りであり、祈りが歩いている、と思えてきました。』と力強く語ってくれました。

祈りによって、一体自分が何者であるかを思い出し、自らの存在が深まっていく様を目のあたりにして、この瞬間に立ち合えた、喜びと共感で胸が一杯になりました。

そんな彼等と共に歩きたくて、1月22日、1万3千人余の祈りの署名用紙を、大使館に届ける最終日のWALKに参加しました。

到着地点、日比谷公園に向かう途中、太陽のまわりに大きな虹がかかりました。グレートスピリットとこの祈りがひびきあった証のような虹でした。

自分を信じて、祈りそのものになって、平和な心そのものになって、一歩一歩確実にその波動を広げ、実現していった時、奇蹟はおこる。

このWalkのシンボルの一つである虹が、美しい姿を見せてくれた時、行動する勇気を兼ね備えた力強い祈りは、必ず聞かれるのだと確信しました。

争うことなく、神(グレートスピリット)の意志を生きることで、平和であり続けることで示していく、祈りの勇者としての在り方を、彼等から教えられた気がします。

 

『永遠の今を生きるあなたへ』
"風の森 Leela" 土谷 龍司 & 天野美恵子(長野県 原村)