●ブラックメサ問題の経緯(Bahe) ここアリゾナの我々の部族を含む、世界中の先住民文化の生き残りに関して私たちが抱えている問題を報告する機会を与えられた事に感謝いたします。 はじめに、ここで政府の行っている計画を世界の方々にお知らせしたいと思います。私たちが、現在、直面していることは、ここアリゾナ北東部におけるインディアン保留地内に住む人々が、アメリカ政府の政策によって強制移住を強いられていることです。この地域(ディネ独立国=SDN)に住むのは、現在でも伝統的な生活をしているディネ族の人たちで、決議により実施されているこの非人道的な強制移住政策の影響を1977年から受けております。 この政府の決定は、PL 93-531と呼ばれ、1974年に大統領命令となり、その後、1977年に保留地分割が始まりました。この分割の目的は、主に、石炭採取と、それにともないコスト削減を狙った地下水脈獲得でした。 1977年以降、政府は、太古の昔からまったく手の加えていないこのアリゾナ北東部の美しい高原から、伝統的ディネ族の85パーセント以上の人たちを強制移住させました。それと同時に、およそ400人の伝統的ホピ族の人たちもこの強制移住によって多大な影響を受けております。この国家命令の実施によりこの2つの部族の関係に多大な影響を与えました。 さらに、政府は、最後まで抵抗を続けているディネ族の人たちの季節ごとに行われる神聖な儀式をもおびやかし、心理的な影響をも及ぼしております。さらに、米国内務省内の管轄であるBIA(インディアン事務局)は、私たちディネ族の親密な関係をも引き裂こうとしています。限られた土地の中での制限又は、立ち退きなどを受けている人たちに対してのディネ保留地の住民を無関心にさせました。BIAとナバホ地区政府の間接的で陰険な手段は、ホピの保留地内で保護しているディネ文化を崩壊させるものです。 BIAの役人たちと非インディアンからなる弁護士団によってなりたっている1997年の連邦裁判所による調停合意書の借地権書類に強制的にサインをさせることによって部族の分離させる状況を意図的にしかけられました。 現在、私たちの置かれている状況は、さらに重大な局面を迎えております。1998年の夏、抵抗し続けていた住民は、ナバホ政府より通達を受けました。さらに、米国内務省と司法省は、ナバホ地区の警察を使い西暦2000年の上半期までに最終的な立ち退きを完了せよという通達を住民にしました。ホピ地区においてこの強制移住書類にサインしなかった住民が、自主的に立ち退くサインしなかければ、1999年12月31日に、強制的に立ち退きを命ずられると圧力をかけられています。伝統的に暮らしている人々が恐怖におびえずに暮らせる状況ではないのです。一つの例として、BIAは、この夏に、家畜を没収すると通達しました。彼らの没収方針とは、過去2回の繁殖期間から数の増えた家畜を強制的に没収することです。 私たちは、エネルギー及び採掘開発における先住部族の権利を認める基準の設置の必要性を訴えます。特に考慮すべき点は、インディアン居留地において鉱物賃借権を獲得するときに使われている策略及び方法についてです。特に、それが、米国内務省の管轄であるBIAによって計画されたという事です。 ビッグマウンテンのあるブラック・メサの場合、ピーボーイ・ウェスタン石炭会社(PWCC)は、太古から保たれていた生態系のバランスと先住民文化の習慣と相互交流を完全に無視して賃借権を獲得しました。現在まで、PWCC、内務省、ホピ部族協議会、ナバホ政府は、ディネとホピの先住民が1960年代から提示している環境問題文書を無視しており、この問題についてまったく軽視している状況です。これら環境に影響がないという住民の主張に反論するための証拠を提出できないでいます。司法当局(司法省と行政機関)は、アメリカ南西部の大規模な公益企業の多大なロビー活動によって賃借権を獲得したにもかかわらず、この事実は公表されておりません。これは、PL 93-531の通過におけるPWCCの関与を立証できるものです。この問題に関しては、更なる調査と証拠と証言を必要とします。私たちは、ディネの人たちの状況を充分考慮してもらいたいという要望を訴えます。 影響を受けた伝統的な人々の全ての証言が記録されていないにしても、我々の文化の生き残りに不可欠であり、このレポートは、誰が我々に土地と私たちの関係の中断に対して責任があるかを確認する事が出来る裁判所を確立することで希望を与えます。この問題に対して更なる文書化がとても重要だと考えております。 世界平和を胸に。 ビッグマウンテン独立国
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