ウーンデッド・ニー〜世界平和・祈りの日

― 山口晴康―

ごぶさたしてます。みなさんおげんきでしょうか。
昨年はいろいろそして大変お世話になりありがとうございました。

12 月より約 1か月あまり亀の島アメリカに行っていました。サウスダコタのウーン デッド・ニーというところまで、地元の人は馬で行進するその後を歩かせてもらって、 11 日に帰ってきました。そういうわけでご挨拶がおそくなりました。
むこうでは寒さにもめげず、大変元気だったんですが、帰った翌日より横浜にて天空 オーケストラ、岡野くん呼びかけのアフガニスタン支援コンサートと次の日に東京で 行われたナナオ(サカキ)の 80 歳のハッピーバースデイ・イベントに行ったことが ダメ押ししてか、昨日よりカゼ(インフルエンザでないことを祈る)をひいたみたい で一晩寝込んでしまいました。
本当は今日阪神大震災の日に行われる浜岡原発祈りのウォークに行きたかったんだけ ど、今年はあんまり出歩くなということかな ? ?  自宅よりこうやって出来ることを しながら祈っています。

ウーンデッド・ニーという対アメリカ・インディアン戦争の終焉と呼ばれる虐殺の地 にそのメモリアルの日に多くの地元の人たちと共にお参りすることができたことは、 自分自身にとっても、またこの現代のいまにあってとても様々なことを深く感じるこ とができました。日本にも来たことのあるラコタ(スー)のメディスンマン、チーフ・ クロウドッグが以前ビッグマウンテン・サンダンスの時に「リメンバー、ウーンデッ ド・ニー、リメンバー、ヒロシマ」と言ったのを聞いて以来、自分のなかにウーンデッ ド・ニー、ビッグマウンテン、ヒロシマ(ナガサキ)、というひと繋がりの輪のなか にインディアンのくにと日本が繋がったのでした。
そうここはインディアン戦争の終りの地であるとともに国外の "インディアン" に対 する戦争の始まりを意味するところなのだ、と改めて強く思いました。
この現在に至る時のなかで、それまでインディアンに行われて来たことと同じことが、 中米や太平洋、アジア、アフリカ、中近東・・で全く同じ構図で繰り返されている。 その繰り返される負のサークルをどうすれば絶ちきり、本来のいのちすべてがつなが り生きるメディスンの輪の生き方に戻れるのか。

ノーモア、ウーンデッド・ニー、ノーモア、ヒロシマ、ナガサキ、ノーモア、アフガ ニスタン、ノーモア、イラク… この積み重ね埋められている女や子供を含む多く のインディアンたちの共同墓地の上で、ただそう祈らずにはおれませんでした。

1890 年のこの大虐殺の生き残りである有名なブラック・エルクが晩年語っている ように、この時に引き裂かれた民族の夢、美しい夢、それを繋いでいた聖なる輪が壊 された。その民の輪を癒し、もう一度繋ぎ合わせることを目的として、'86 年以来 毎年この馬による行進は行われています。そして最終の頃 200 頭以上にもなる盛大 なスピリット・ライダー達のそのほとんどが、下は 8 歳ぐらいからそしてティーンエ イジャーが大部分を占める、それはとても素晴らしいものとなっており、確実にその 壊された民の輪が繋がり戻って来ていることを、毎日共にいれたなかで強く感じるこ とが出来たのはとても良かったです。

そしてこのライドを先導するのが、ラコタ、ダコタ、ナコタのすべての民にホワイト バッファロー・カーフ・ウーマンより授かった伝説のパイプを保持する 19 代目の守 り人、チーフ・アーボル・ルッキングホースです。以前にも一度お知らせしましたが、 このウーンデッド・ニー虐殺の 100 周年にむけて 4 年間馬による巡礼を行い、その 4年後に白い雌のバッファローの子牛が産まれたのをきっかけとして、自分の民以外 の世界中の民の輪が壊され、マザーアースを取り巻く聖なる自然の輪が危機に瀕して いることを知り、「WORLD PEACE & PLAYER DAY 世界平和・ 祈りの日」という名で、'97 年より毎年 6 月 21 日の夏至の日に世界中の聖地でセ レモニーを続けているのです。http://www.wolakota.org/
詳細はまた後日お知らせしたいと思いますが、今年はオーストラリアで行う予定で、そして来年は日本に来ることになっています。

チーフ・ルッキングホースは毎日このライドの始まりと終りのサークルの時に繰り返 し語っていました。「核戦争か火山の爆発による大惨事が心配される。」
また別のチーフ(ビッグマウンテン・サンダンスのチーフ・ノーマン)を訪ねた時、 人々が最近見た”黒い虹”は良くないことが起きる前兆だ、とも聞かされました。 しかし彼らが決してあきらめずに多くのセレモニーや行動をし続けているように、未 来は決して決定されているわけではなく、どう僕たちが選択するかによる仮定でしか ないのだと思います。この年の始めに、不安と動揺が渦巻くこの時だからこそ強く強 く思います。悲観的な現実や否定的なエネルギーに惑わされることなく、前向きにポ ジティブに一つ一つ、そして一歩一歩あるいていきましょう。

1 月 18 日は 15 日が誕生日だった故マーティン・ルーサー・キング牧師のウィーク にあたり世界同時反戦デーということでアメリカ、ワシントン DC、サンフランシス コをはじめ世界中でいろいろなウォークやアクションがあるようですね。日本でも東京で CHANCE のウォークや富山でもあると聞いています。2 月にはまたウーンデッド・ ニーにて '73 年の AIM による占拠から 30 周年を記念して 4 つの方角からウォーク が行われるそうです。ちなみに日本山妙法寺の純庵主さんはデニス・バンクスととも に歩かれるそうです。そして今年の終りから来年のヒロシマ・デーまでオーストラリ アのウラニウム採掘鉱山からスタートして日本へ渡り青森県六ケ所村から広島まで歩 く壮大なウォークも始まります。詳しくは http://nuclearfreefuture.tripod.com 戦争に反対する平和を願う世界中のすべての人が、たとえ 1 日でもいっしょに祈り歩 いたら、きっとそれだけで世界は良い方向に変わると思いませんか ?

美のなかを歩く。 IN BEAUTY , I WALK

ことしもどうぞよろしくおねがいいたします。
またどこかでいっしょに歩けることをねがっています。

ハル 山口晴康 拝